TS ブログ~東海精機の声~
2025年10月
2025.10.30
設計に理由を持つということ
設計の仕事を始めたころは、図面を“描く”ことが中心でした。
指示された形を正確に描く、寸法をきちんと入れる、それも大切な仕事です。
けれども、図面を“設計する”ようになると、形には一つひとつ理由が生まれます。
設計を始めたばかりのころは、その理由がなかなか見えません。
ですが、経験を積み重ねていくうちに、強度・加工・コスト・組立性・メンテナンス性、あらゆる要素に理由があることがわかってきます。
理由のないものは、わざわざ設計して描く必要がないのです。
たとえばボルト1本の選定でも、「強度的にこれで十分か」「取り付ける人が作業しやすいか」を考えるだけで、図面の質はまったく変わります。
設計とは、“機能”と“人”の間をつなぐ仕事なのだと感じます。
図面はただの紙ではなく、そこに描かれた線の先にモノが生まれます。
「描いたものが形になる」瞬間は、何年経っても設計者の喜びです。
これからも、“描く”だけでなく、“考える設計”を大切にしていきたいと思います。
- 1 / 1
